Now's the Time エンタ前口上 投稿者:はっせー 投稿日:2011/06/30(Thu) 00:20 No.3478
歴史といっては大げさですが、皆さんは自分の事を時系列にそって克明に記憶している方ですか?
僕は(これはもしかしたら「とりえ」ですらあるのかもしれませんが)あまりはっきりと覚えている方ではありません。
「とりえ」と書いたのは、ある意味自分にとっての「逃げ道」みたいなもんでもありまして、大学に8年強も籍をおいていたり、その上お医者様になる道をドロップアウトしてしまって、その日暮しののんきな稼業に身をやつし、40になってもご近所の奥様方に「ハセガワさんのとこのご主人は、高校生みたいね。」と言われてしまうような風采になってしまうのは、まっとうな感覚だと、こりゃ言い方をきつくすれば、「外道」なわけで、いちいちきっちり記憶していたら、「自分で見た自分」でさえ、もうかなりあかん人なのかもしれません。で、その時そのときを必死にやってきたといえば聴こえは良いけども、その適当さが、例えば今自分にとって一番大事な「音楽」に取り組む姿勢にも現れてしまい、共演していただく皆さんの足を、ともすれば引っ張ってしまっているのかもしれません。
そんな、いささか人としては欠損の多い僕が、今まで何とか生きながらえているのも、大げさに言うと、このイベントのおかげなのであります。
「長谷川晃エンタテイメント」
尊大にも自分の名前を冠にし、何様やねんプロジェクトなのですが、事の発端は、「ラグ」だったのでした。
おそらくは僕が29歳の時だったと思います。
当時の僕は、今と同じく口は達者で、そのくせ、ちょこちょこセッション行く程度で、まだなーんもしてない人でした。
ラグで人のライブの打ち上げで飲んだくれ、友達は増えていたのですが、自分がどうして行くのか、全く性根が座っておらず、そんな僕に、「お前、そんなただいうだけいうてないで、なんか、やれ。」と言ってくれたのは、ラグの秋葉さんでした(だいたい、ラグ始まりのワルダクミにはこの人が絡む)。
その場で、別の打ち上げで盛り上がっていたドラムの大島直美さんに、「一緒にやってください。」と頼むと、「いいよー。」って。まだお酒の場での面識がちょっとある程度なのに。
で、キーボードのささぽんに電話して、「やってくんない?」っていったら、ささぽんとも一回対バンした位の、知り合いでしかないのに、「いいですよ。」。
同志社軽音の大変偉大な先輩で、京都来てから唯一、ずっと知ってくれているギターの鈴木さんに頼んだら「いいよ。」。
JK茨木などのセッションで、ドラマーなのにソロになったら盛り上がって木製の椅子をぶっ叩いていたのがとても素敵だった高野さんにパーカッションをお願いすると「いいよ。」って。
なんていい人たちなんでしょう。へりくだりでなく、僕はその時、まだ「ほぼ何もしていない人」だったのに。
そのときのコンセプトは「バックのメンバーを固定して、ボーカリストと管楽器奏者を毎回変えてゲストにむかえる」と言うのと「オリジナルはなかなか書けないだろうけど、その分DJのように『選曲』でハセガワの色を出して、ハセガワの『エンタテイメント』なショーにする」というものでした。
今から考えたら何のことは無い、みんなやってることなんですけど。ちなみに「エンタの神様」より名前を付けたのは先です。
第一回目は杉山千絵(vo)ちゃんと藤吉悠(s)君。 第二回目は藤田しゅんすけ(vo)君と峰崎良樹(tp)君 第三回目は上野英樹(vo)君と栗田洋輔(s)君
そして第四回目、ラグで対バンしたことあったのだけど、面識はさほどなく、別のJK茨木のセッションで初めて一緒になったサックスの堂地君を誘い、直美ちゃん経由で紹介してもらったゴスペルという音楽を通じて知り合った、BEEさんやしじまっち、りっちゃん、をヴォーカリストで迎えました。
ステージの録音で聴いた堂地君のサックスの音色の綺麗さにびびりました。独特な個性をもつ複数のボーカリストが、コンビネーションを見せる楽しさを知りました。なんか、バンドになってきました。
で、EJのあやちゃんや、Jacooのこまっしーらをコーラスに迎え、メンバーがほぼ固定してきて第五回・六回・七回とやりました。
ささぽんがネットのページ(多分アメリカの)で「貴方のバンドに名前をつけてくれる」というので見つけてきてくれた「The Love Professors」というのが気に入り、頂きました。
多分毎年自分の誕生月の3月にやっていた気がします。
その間、いろんな人との縁が出来、様々なところで演奏するようになり、僕個人にも色々な事がありました。
大半が楽しいことです。ていうか、辛い事はどうも心の中で蓋をされているようで、あまり思い出せません。(とりえ)
で、僕はいったんこのセッションを止めることにしました。理由は直接的な理由、間接的な理由色々なのですけど、直美ちゃんの病気のことはもちろん大きかったし、生意気にも自分がこのセットを続けていく理由づけが、自分の中で乏しくなっていたのかもしれません。
その間に、さまざまな仕事の他に、栗田君や朱君らとの「Vermilion Field」が軌道に乗り出し、勤めている学校を通して知り合えた、僕よりずっと若い、素敵なミュージシャンたちと「Not Yet」をはじめました。
「Vermilion Field」でも、特に「Not Yet」では僕のつたないオリジナルをやっているのですが、ほんとにつたないものでも、自分から曲を作って発信する、という製作作業に、Vermilionのみんなはその個々の卓越した能力で、Not Yetのメンバーは、「つきあってくれてコンスタントにリハを重ねる」という、バンドにとって一番大事な、そのくせ僕の音楽人生でサードハードOrch.以来なかなかなかった過程を共有してくれることで、関わってくれました。
「エンタ、もう一回やりましょうよ。」といってくれたのはささぽんでした。
それを聞いて、自分の中で、あ、そうか今なんだ、と思い、その場で準備にかかる日数を計算して、ラグをおさえ、その後メンバーのスケジュールをおさえる段階で、しじまっちとりっちゃんがその時期に渡米しているので参加できない事にのけぞり、それならそれでせっかくだし、駄目もとで、ここ数年一緒にやらせていただいているYammyちゃんにオファーを出したら、なんと快く「いいですよ。」って。
なんていい人だ。
選曲に際し、ささぽんと「鳥貴族」で二人で7000円飲みました。だいたい何でも、僕が言い出し、それをささぽんがより高度なもので返してくれます。
で、アウトラインはできたのですが、「長谷川エンタ」では軸になる曲が毎回あり、それはもちろん僕が決めるのですが、今回はそれがなかなか決まりませんでした。けど、あるとき、すっと決まりました。僕はクリスチャンではないですが、今回は「神様」が決めてくれた気がします。
今回のショーでは、「オリジナル」と言える曲を3曲演奏します。後は、入魂(笑)のカヴァー集。あたりまえだけど、自分の好きな曲ばかりで、リハが楽しくてしょうがありません。
フライング気味ですが、僕のオリジナルのタイトルだけお伝えします。
「アーバン刑事(デカ)〜愛をご教授仕ります〜」
僕たちにとって、聴きに来てくださる皆さんにとって、楽しい夜にすることを心から目指します。
皆様のお越しを、心からおまちしておりまする。
「Love Professors〜長谷川晃エンタテイメント〜」 feat.BEE芦原(vo) Yammy(vo) 【日にち】7月2日(土) 【場所】LiveSpot RAG(木屋町御池下がるエンパイヤビル5F) 【出演】BEE芦原(vo)Yammy(vo)長谷川晃(b)大島直美(d)鈴木大介(g)sasapong(key)高野正明(perc)堂地誠人(sax) 【料金】前売(一般)2,300円 当日(一般)2,800円 前売(学生)1,800円 当日(学生)2,300円 【時間】開場18時 開演19時半
http://www.ragnet.co.jp/live_spot/live/schedule/2011/7.html
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